笑え、オリオン座
第1章 プロローグ
今日も、いつもと変わらない日々を送る。
友達と話し、授業を受けて、行事があればそれに向けみんなで力を合わせて準備する。
これをみんなは青春と呼ぶんだと分かっていたし、過ぎ行く一度きりの青春を楽しみたいと思っていた。
いや、思っているということにしていた。
実際は、青春と呼ぶこの日々なんて楽しくもなく、ただ表面的な友情や絆を育むものだと思っていた。
これが本当に青春と呼べるものなのか、無駄に時間を消費しているだけなのか、世の中の青春への理想が高いだけなのか、よく分からなかった。
本当は認めたくなかった。
私がこの当たり障りのない日々に飽きていることも、本当はこんな日々、青春と呼びたくないことさえも。
私はいつも空っぽだった。
周りはそう見えなかったはずだ。
楽しそうに、青春を謳歌しているように振る舞っていたから。
それでも空っぽだった。
周りの友達に合わせ、不満も言わず、敵を作らないようにした。
失恋したと言って泣きかれたときは慰めたし、文化祭の準備で人手が足りず、休日なのに学校に行くはめになったときも、嫌な顔一つしなかった。
そんな日常の中で私は物足りなさを感じていた…。