笑え、オリオン座

「おい、うっせーぞ」
派手な男が怒りを露にして怒鳴る。 

「俺らをここから出せっ!」
中年男性が派手な男に体当たりをするが、派手な男が中年男性を蹴り飛ばす。

「はぁ…、うるせーなー、お前ら生かされてんの、人質なの、だから大人しくしとけよ、わかった?」
派手な男は呆れたようにそう言う。
ーー人質…?

「意味わかんねぇんだよ!」
先程の中年男性とは違う他の20代程の男性が派手な男に体当たりを仕掛ける。
が、また蹴り飛ばされた。

「だーかーらー、俺らまあ俗にいうヤクザってやつなわけ。サツがここに乗り込もうとしてるらしーからまあ人質いれば大丈夫だろ的な。わかった?」
ーーなにそれ、そんな理由で私たちを連れてきたの?
他の連れてこられた人もそう思ったのか、怒りの表情がうかんでいた。
蹴り飛ばされることがわかっているからか、今度は誰も体当たりをしようとはしない。
派手な男が乱暴に扉を閉め、鍵をかける。
この部屋には静寂が落ちた。
先程まで騒がしかったのが嘘のようだった。


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