笑え、オリオン座
部屋に入ってきた男たちは3人だった。
3人とも同じ見た目で、誰が誰かなんて3人と知り合いでもきっと見分けはつかない。
男たちは、私たちの手を縛っているロープを切り、立ち上がらせる。
一言も話さず、ついてこい、という動きをした。
私たちも何も言わず、男たちについていく。
先程まで聞こえていた怒号はもう聞こえなかった。
部屋を出て、廊下に出ると、他にもスーツを着た男がたくさんいた。
私たちのいた部屋以外にもたくさん部屋があったようで、壊されたドアから中を見てみると、派手な男たちがスーツの男たちによって押さえつけられていた。
私たちはスーツの男たちに先導されて、廃墟の外に出る。
そこには、いかにも高級そうな車が1台、ワゴン車が何十台も停まっていた。
サングラスをかけていない、スーツの男たちのリーダーのような男が近づいてきて、私たちの住所を聞いた。
そして、同じ方向の人たちと同じワゴン車にのせられ、送ってもらえるらしい。
スーツの男のリーダーは、
「ここでのことはあなたは覚えていない。いいですね?」
とワゴン車に乗る一人一人に言っていった。
そして、私がスーツの男のリーダーに住所を告げると、ワゴン車ではなく、高級車に連れていかれた。