笑え、オリオン座
第4章 デート
誘拐事件が解決した次の日、私は8時に起きた。
いつもは昼過ぎに起きる私が、8時に。
ーー突然デートとか言い出すんだから…。
8時に起きた理由は昨日、付き合うことになった優とデートに行くから。
昨日は、帰ってきてからすぐに寝てしまった。
自分では気づかぬうちに精神的に疲れていたんだと思う。
もちろん、体力的にも。
だから、今日の準備は全くしていない。
とりあえず、顔を洗って、寝癖を直して、朝御飯を食べて、歯磨きをして、服を着替えて…。
ここで問題が発生した。
それは、服。
今まで彼氏がいたことがなかったからデートなんて行ったことかない。
どの服を着ていくべきか、迷っていた。
30分クローゼットの前で唸り、お母さんを連れてきてまた30分唸る。
そのあとお父さんも連れてきて30分唸った。
お兄ちゃんが起きてきたから、私の部屋に引きずり込み、クローゼットの中を見せる。
すると、すぐに決まった。
お兄ちゃんの彼女はモデルをしているから、彼女がいろんな服を着ているのをよく見るのだという。
ーー最初からお兄ちゃんに頼んでおけば…。
結局、服を決めるのに一時間半と少し。
それから、お母さんが髪を結んであげると言い出し、あっという間に11時。