笑え、オリオン座
「ただいま」
「次どこ行く?」
やっぱりご機嫌だ。
とても嬉しそうで、逆に張りつけたみたいな笑顔だと思った。
「逆に、どこ行きたくないの?」
そこを聞いておかないとお互いに楽しめない。
浮かれてて忘れてたけど、私たちは付き合っている。
一応、だけれど。
この関係も優の気分で始まったものだし、いつ終わるかわからない。
付き合うことになったとき、勝手に決められて嫌だったけど、今、この関係を楽しんでいる私がいる。
今まで彼氏がいなかったのもあると思うけど……。
だから、出来るだけこの楽しい時間を続けたかった。
この日々は、今までと違うような、そんな気がして。
「ジェットコースターとか、心臓に悪いものかな。」
ーー…、ただのビビり…?
「じゃあ、メリーゴーランド行こうよ」
「いいよ」
優しく微笑むと、優は地図でメリーゴーランドの位置を確認し、私の手をとって歩き出した。
さっきも手を繋いだのに、今さらになって気づいた。
ーー手、おっきい
当たり前だけど、そんなことに驚いてしまう。