湖都子のポエム6

思い出……そして再会……


ずっと好きだった
そろそろ幼なじみを卒業していい?

あの日の約束
キミは勇気を与えてくれた

いつか会えたら
今度こそ伝える
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遊理……20才

暗黒の小学校……時代。友達もいなくて、つまらない毎日だった。存在感が薄くて、俺は透明人間だった。それが普通だと思っていた。感情が死んでいた。だけど見つけてくれたのは、彼女だった。集めたノートを持ちながら歩いていたら、彼女にぶつかった。「あっ、ごめんなさい」って落ちたノートを一緒に拾ってくれ、「はい」って私ながら微笑んだ。笑顔がかわいい彼女に恋をした。彼女にとっては、きっとほんのささいなこと……

彼女が頑張ってると、俺も頑張れた。彼女に気づいてほしくて、眼鏡をやめて、コンタクトにした。運動も、勉強も頑張った。急にもてはじめた。

願いが通じたのか、6年になって同じクラスになった。席替えで隣の席になった。思い切って話しかけると、笑顔で答えてくれた。でもしばらくすると、ほとんど話さなくなり、また席替えで席がはなれたら、全然話さなくなった。

そして、家の事情でと、卒業前に引っ越してしまった。

最後の日、本当は告白するつもりだった。けど、言えなかった。
「引っ越しても、友達だよ。また会えたらいいね。」
精一杯の言葉だった。
「ありがとう。ちょっと元気になれたよ。また会えたらいいね。」
もう一度会えたらいいのに……今度こそ……伝えるよ。

中学の時も、高校の時も、好きになれる子は……いなかったんだ。

大学に行くようになって、ファミレスでバイトを始めた。そこに、あの時の彼女がきた。変わらない笑顔で……
「もしかして、北川さん?」
「えっ……あ、はい……」
「俺、沢井だよ。小学校の時一緒だった。」
「両親が離婚して、今は桜井……なの」
あの家の事情って、離婚だったのか……
「そうだったんだ。今は何してんの?」
「ここの近くの会社で働いてるんだ。」
「そっかー、また会えるなんて思ってなかったよ。北川さん、小学校の時と全然変わらないから、すぐわかったよ」
「う……気にしてることを……どうせ童顔だっていいたいんでしょ……いじわる……」
ちょっと頬を膨らませ……その顔もかわいい……
「せっかく再会できたんだから、これからはまた会おう。今度いつ会える?」
「う……うん……」

何度出会っても、彼女に恋する……そういう運命だったってことだろ?
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