湖都子のポエム6

暴走


よそ見なんてもう許さないから……

あなたの好みになるから
私と付き合ってよ

あなたは私を焦らせて楽しんでる
早く捕まえにきてよ……
_________________________________________
早く別れて、私を迎えにきてよ……私は、あなたを待ってるのに……こんなに焦らせて……意地悪……

だから、あなたに会いに会社に行った。知ってる受付嬢に声をかけた。
「何しにきたの?」
「彼に会いにきたんだけど……」
出てきたのは彼じゃなくて、社長だった。
「何しにきたんだ。」
「彼に会わせてよ。あの女と別れたんでしょ?」
「2人なら別れてない……」
「あれだけ言ったのに、会社のことを何も考えてないのね……」
「キミとは違う……彼女は、会社のことを考えて家を出たそうだ……」
「なーんだ。それなら……」
「キミと付き合うことはない。アキラのことなんて何も考えてない。アキラの犠牲がなければ会社が潰れるなら、それでかまわない。」
「な……何言ってんの……」
「私が話せば……」
「話してもらわなくて、かまわない。」

受付の所で話していたので、さっきの受付嬢が聞いていたことにも気づかなかった。
「どういうこと……?」
「聞いての通りだよ。」
「若社長が浮気したんじゃなかった……の?」
「そんなわけないだろ?アキラは、美緒ちゃん一筋なんだ。」
「今も無理やり押しかけてきたんじゃなかったの?」
「別れてから、赤ちゃんができたことがわかったから戻ってきてくれた。って、聞いてるけど……この女が何を言ったのか、知らないけど……」

「全部……嘘だったの?みんな信じていたのに……」
「そ……それは……私をふるから、悪いのよ。あんな女より私の方が彼に似合うに決まってるじゃない。ねー、そう思うでしょ?」
「ふざけないで。あんたには、怒る気も失せた。」
「あなたも、見る目がないのね。これだから、貧乏な人はイヤだわ……」

そこへ社長室の秘書がやってきた。何か話してる。
「そういうことだから、帰ってくれ。」

結局、彼には会えなかった。

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