PromiseRing
「……」

……ええ。
ガードしてるんですよ。
前回みたいなのはまっぴらごめんです。

「……さらに誘われると、困るんだけど」

……は?
云ってる意味が全く理解……。

筋張った多賀谷社長の手が私の顎にふれ、横を向かせる。
戸惑っていると私の唇に……多賀谷社長の唇がふれて、離れた。

 チン。

開く、ドア。
わけがわからなくて固まってる私を、多賀谷社長はじっと見つめてる。
ドアが閉まり、降下を始めたエレベーターに、我に返る。

「……なに、やってるんですか」

素早く押す、階下のボタン。

自分の鼓動が、うるさい。
身体が、熱い。
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