【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-
それ、って。
同じ状況に陥ってたら、わたしのこと初代と同じように、ほかのことなんて目に入らないぐらい求めてくれるってこと……?
「っ……」
だめだ、頭で理解するとめちゃくちゃ恥ずかしい……!
本当に千瀬ってば、わたしのこと甘いセリフで殺す気なんじゃないの?
「ふふ。千瀬くん、真顔でそういう発言するよね。
莉胡ちゃん心臓幾つあっても足りなさそう」
「ほんとに足りない……」
「莉胡ちゃん今度ダブルデートしようねー。
あっあと、千瀬くんと春くんは置いといて、ふたりでデートもお泊まりもしようね。たくさん恋バナしようね」
「由真ちゃん無自覚なくせにたまにものすごくしたたかよね」
由真ちゃんのふわふわの髪を撫でて、「うん、まあしないとは言わないでおくわね」と答える。
こんなにも仲良くなった女の子は由真ちゃんがはじめてで、ちょっぴりうれしかったりもする。
「6代目から、ちゃんとした伝言も預かってるぞ。
『莉胡のことも月霞のことも、任せた』って」
「はいはい。仕方ないから受け継ぐよ。
……ったく。もどるつもりはなかったのに」
「そう言いながらうれしそうな顔してるじゃない。
ミヤケと十色に報告しておくわね」
「お前本気で色々覚悟しとけよ。
……嫌になるぐらい俺しか見えないようにするから」
「、あの、」
「ああでも、嫌になったら許さないからね。
月霞7代目として、姫に愛を誓ってあげるよ」