【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-



「もうちょっと大人になったら……

そんな風に……言って、くれるの?」



「なに言ってんの、莉胡」



「え、っと……だから、」



「悪いけど俺そんなに待てないからね」



「っ、」



不意打ちすぎる。

最近のわたし、1日に何度千瀬の言葉に顔を赤くすればいいの……! まいにち真っ赤なんですけど!



……でも、やめてほしくない。

千瀬にこんなにも大事にしてもらえるのはわたしだけだから。……いっぱい、好きだって言ってほしい。




「でも、おねがい……

いまはもうちょっと、待って、」



「なら俺の気持ちあんまり振り回さないで。

ただでさえ莉胡のかわいくて仕方ないと思ってんだから」



「……ぜ、善処します」



「顔赤くするのもかわいいとしか思えないからさっさと克服しなよ」



誰のせいで赤くなってるか、わかってるくせに。

やっぱり千瀬はわたしに意地悪で、でもどうしようもないぐらい、甘くて。



「あと俺のこと妬かせないでね。

軽く2桁続いてる初恋、相当俺こじらせてるらしいから」



「……もうぜんぶ感情ごちゃまぜになってるけど、ぜんぶ集めてもやっぱりだいすき」



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