【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-
それがわかってるから。
わたしだって……千瀬にしあわせになってほしい。
「……、わかった」
「ふふ、よかった。これで安心して行けるわね」
「その代わり……
帰ってきてから、その土日にふたりで何してたとかそういうのは聞かないって約束して。……ふたりきりで過ごした時間は、ふたりだけのものにしたいから」
そう言ったらお母さんたちは「えー」とでも言いたげだったけど。
わたしにこれ以上なにか言われるよりはマシだと思ったらしい。こころよく頷いた。
「千瀬くんと仲良くね」と。
翌朝、余計な一言を付け加えて旅行に行ったけど。
でもまあ一緒に過ごすのはいつも通りなわけで。
今日のことを考えたら若干寝不足になってしまったけど、いつも通りに過ごせばいい。
「莉胡。映画どれ観る?」
「お父さんがこの間、あたらしく出た映画通販で買ったらしいの届いてわよ。
ダンボールにいっぱい入ってたから、そこから好きなの探そう?」
いつも通り、午前中は千瀬と映画を1本観て。
お昼をすこし回ってから、お昼ご飯はオムライスがいいと言えば千瀬がつくってくれた。そのあとはふたりでおしゃべりして、デートの予定立てたりして。
大抵いつもはそのあとまたちがう映画を観るか、お菓子を作ってもらうかなんだけど。
今日はなんとなくそんな気分ではなくて、ふたりで見てもいないテレビをつけながら、だらだらする。
「あとで晩ご飯の買い物行こ。何がいい?」
「んー……さむくなってきたもんね」
「先週鍋だったし、
しかもふたりでやるとなると食材余るよね」