【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-
それはもちろんわかってるけど……!と。
あたふたしていたら、千瀬が手の甲で頬を撫でてくれた。熱い頬に冷たい指先が触れて気持ちいい。
「でも……優しくするよ。
恥ずかしいって気持ち飛ばせるかはわかんないけど努力はしてあげるし、なにより莉胡が気持ちいいって思えること以外はしない」
「……千瀬」
「ごめん。
……莉胡に合わせるって言ったけど、がっつきたい気持ちないわけじゃないから。いまも結構余裕ないし、煽られたら終わりなんだけど」
これが最後の質問だよ。と。
結局はチャンスを与えてくれる千瀬。
どうする?と聞かれて、うなずく。
それを見た千瀬がまた深く口づけてくれて、全身から一気に力の抜けるようなキス。
そのまま首筋に彼が顔をうずめてきて、指先でふわふわのルームウェアのファスナーをおろす。
中に着てるのは、由真ちゃんに買い物に付き合ってもらった時に選んでもらった、かわいくてちょっとだけセクシー路線でもある下着。
「わざわざ俺のために新調したの?」
いろいろと。
見透かしてそう言う千瀬にうなずいたら「かわいい」と言ってくれた。ルームウェアのファスナーを完全におろされて前が開くと、ゆっくり肌を滑る千瀬の指先。
「好きっていっぱい言ってあげる。
だから莉胡は、俺のこと信じてて……」
こわくないし、全然、平気だ。
やっぱりこれは千瀬が優しくしてくれるおかげ。
「千瀬……だいすき」
胸元に口づけられて、散るのは紅い花びら。
そんな独占欲すらも咲かせてくれる千瀬が愛おしくてたまらない。
腕を回して、どれぐらい、時間が経ったんだろう。
はじめはついていた電気も消えて、ちょっとした拙い光の中で、お互いを求めあって。