【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-



「ちーくんの部屋ってー……

もっと黒とかモノトーンでシンプルな感じだと思ってたけど、案外おしゃれしてるって感じの部屋だよねー」



「そのあたりの家具とかカーテンとか勝手に選んでくんのは母親だから。

どっちかっていうと俺じゃなくて親の趣味」



「へー。莉胡ちゃんの部屋はー?」



「わたし?

……んー、どう、だろ。イメージは千瀬とあんまり変わらないような気がするけど、」



「莉胡の部屋は男の写真ばっかりだよ」



「誤解招くから……!

男友だちがたくさんいるから、いろんな人とうつってる写真がたくさん飾ってあるだけだから……!」



そういえばその一角は、月霞のみんなとうつっている写真だったり、十色とうつっている写真だったり。

見られたらどうしようもない写真もあるけれど、織春と付き合うなら、それもしまっておかなきゃいけない。




「莉胡ちゃん男友だち多いの?」



「うん……

逆に女の子の友だちいないけど……」



「莉胡に近づいてくる女って、大抵ロクなこと考えてないからね。

……まあ、それは男にも言えることだけど」



「あー、莉胡モテそうだもんねえ。

特に千瀬と一緒なら、女は千瀬目当てなんだろうな~」



千瀬目当ての女の子に、いつも睨まれるのはわたし。

だけど千瀬がわたしを見捨てることはなく、いつもそばにいてくれた。ミヤケは見た目が派手だから、その影響で一緒にいるからわたしもあまり話しかけられなくなったっていうのもあるけど。



「ひどかったのは、莉胡が昔付き合ってた男目当てで寄ってきた女がいたけどね。

自分の遊んでる男を莉胡に近づかせて浮気っぽい証拠を莉胡の彼氏に突きつけて別れさせる、みたいな」



「そんな恨まれてたのかお前……

んで、それ結局どーなったんだよ?」



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