【完】ファントム・ナイト -白銀ト気高キ王-



自慢というか……

十色とお揃いなことや、彼が「綺麗だね」って褒めてくれていたから、気に入っていただけで。



織春と付き合った今、

もうそれを保つ必要もない。



「別にいいと思うけど……、

お父さんにも聞いてみなさいね」



「うん、あとで聞いてみる」



お母さんは、わたしと千瀬が月霞から追放されたことを知らない。

けれど、なんとなく、わかってるんだと思う。



「いいんじゃないか?

……派手じゃないなら」



何色に染めるんだ?と聞いてくるお父さん。

……実はそこまで、考えてなかったんだけど。




「……織春、わたし何色の髪が似合うと思う?」



『……何色でも似合うんじゃないか?』



「もー、それがいちばんむずかしいのよ。

あんまり派手だと怒られちゃうでしょう?」



まあ、学校の校則はかなりゆるめで。

千咲のオレンジ色の髪だって、注意されるぐらいでそこまで問題視はされてみないだし。……それこそ、暴走族所属者が多数を占める学校でキツめにしたら、違反者続出だろうけど。



「あのね、

いま写真送ったこのショコラブラウンどう思う?」



『……いいんじゃないか?

莉胡は綺麗な顔と甘めの顔の間だからな。多少甘い色でも似合う』



「……じゃあ、これにしようかな」



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