愛してよ 、
『... ごめんなさい 』
あたしの言葉にまた
悲しそうな顔をするから
なんだか悪い事をしてるみたいで
居心地が悪い。
「 なんか飲むか? 」
その気持ちに気がついたのか
キッチンらしき所から
こちらを覗きながら彼は言う。
『 じゃあ、ココアを... 』
少しだけ目を見開く彼は
「... わかった 」
さっきとは違う笑顔で
微笑んであったかいココアを
作ってくれた。
『 ありがとう、ございます 』
「 いつもは作ってもらう側だから見よう見まねだけどな 」
飲んでみるととっても
あったかくて幸せな気分になった。
『 あの、』
「 ん? 」
『...お名前は? 』
覚えていないんだから
しょうがないじゃない 、
それとも何?あたしには
あたしの知っていた記憶を
教えてはくれないの?
「...リョウだ 」
リョウ...
セイヤさんではないんだ。
ってことは、
『 この家は2人で住んでるの? 』