私のご主人様Ⅱ
何とか駆け寄ったのはいいけれど、息が上がりすぎて言葉がでない。
は、早く言わなきゃ。思いっきり息を吸い込んで何とかしようとしたら逆にむせた。
『…す、すみません』
やっと言えたのは謝罪で、何とか顔を上げる。
その時、初めてまともに見た男の子の顔に思わず息を飲む。
すごいきれいな人。お坊っちゃまもかなり整った顔をされているけど、また雰囲気が違う。
お坊っちゃまはそのままだけど、いいとこのお坊っちゃまらしく優しげにも見える顔立ちをしてる。
けど、この人は違う。まるで人を寄せ付けようとしない、どこか威圧を感じる気高さを持ってる。
2人とも人の上に立つような人であることは間違いないオーラを持つのに、その雰囲気は真逆だ。
お坊っちゃまが人に寄り添うのならば、この人は力を示し、人を従わせる。彼自身の力が人を引き付けるんだ。