私のご主人様Ⅱ

「「「きゃぁぁあああ!!!」」」

「ッ!?」

上がった悲鳴と、ガタンッという机が倒れる音。

麻夏くんの襟首を捕らえた季龍さんは狙いを定め、拳を振り下ろす。

麻夏くんの襟首を捕らえる季龍さんのを掴み麻夏くんの前に体を滑り込ませる。

「ッ!!」

「!?」

「え…」

頬に走った衝撃に体が持って行かれそうになったのを何とか踏ん張って、踏み留まる。

季龍さんを何とか見上げ、何とか笑う。

あなたは悪くないから。私を傷つけても大丈夫だから。あなたの感情も全部、受け止めるから。

だから、人を傷つけないで。

主人が誤った行動をするなら、身を呈してでも止める。教え込まれたことが咄嗟に出るとは思わなかったなと頭の片隅で考えていると、次第に頬に痛みが生まれる。

あ、痛い…。っめちゃくちゃ痛い!!!
< 108 / 323 >

この作品をシェア

pagetop