私のご主人様Ⅱ

「え?な、何。この子どうしたの?」

「いやぁ、若が殴っちゃったみたい…?」

「…通報してくるわ」

「ちょっ待って待って待って!!!」

真面目な顔をして部屋を出ていこうとする医者を、伸洋が行く手を塞いで止める。

…だが、その伸洋を意図も簡単に床に転がした。医者の目は見る者の背筋を凍りつかせるほどの殺気を含ませる。

「秋奈~瞬桜が…って、おーい。秋奈?」

「っ…あ。ごめん」

医者が入ってきたドアからまた1人顔を出したのは金髪の男。殺気をみなぎらせる医者に怖がる様子もなくその肩をつつく。

と、急に殺気が消え、我に返ったように床に転がる伸洋に視線を向けた。

騒がしい夫婦だなこいつら…。

「っん…」

「琴音?」

それまで静かに眠っていた琴音が瞼を震わせ、静かに目を開けた。

季龍said end
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