私のご主人様Ⅱ
「んじゃ、帰るよ~。ここちゃん目隠ししてね」
私を膝の上に乗せたままの季龍さんには何も言わず、伸洋さんはいつもの調子で言う。
言われた通りにアイマスクに手を伸ばすと、季龍さんの手で目隠しされた。
「さっさと出せ」
「あー。はいはい」
え、帰るまでこのまま!?これじゃあ逃げ出したときと同じじゃないか!
ジタバタすることもできず、車は動き出す。
どうしたらよいか分からず硬直を続ける。
「琴音、寝てろ」
季龍さんがそう言ってくれても、流石に緊張しすぎて目が冴えてしまっている。
ガチガチに緊張したままで、早くついてと願うばかりだった。