私のご主人様Ⅱ

梨々香ちゃんの頭を撫で続けていると、少しずつ緊張が解けて、抱きついてくる。

その背をあやすように叩いて、好きなだけ甘えさせる。

梨々香ちゃんが満足できるなんて思ってない。ただ、少しでも寂しさを減らすために、私ができることならやるんだ。

「ことねぇ、私もう切らないって約束する。だから、いっぱい甘えていい?」

大分落ち着いた頃、タブレットを手元に引き寄せると梨々香ちゃんは遠慮がちにそんなことを言う。

でも、その表情の余裕のなさがすごく気になって、すぐにタブレットに打ち込む。

『そんな約束、しません』

「…え?」

勘違いされる前に、少し早く打ち込んでまた見せる。

『好きなときに抱きついてきていいんだよ。だから、そんな約束しないよ』

「…でも、切らないって約束しないの?」

『いっぱいいっぱいになって、約束を守るのに一生懸命になって、もっと危ないことしてしまうなら、私は約束したくないな』

梨々香ちゃんは打ち込んだ文字を見て、首をかしげる。
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