私のご主人様Ⅱ
「それじゃあ、教室で話しかけていい??もし、琴音ちゃんが話せるようになったらさっきの質問教えてくれる?」
これで終わりかと思ったら、麻琴さんは諦めていない顔で私を見る。
これは…どうなんだろう。いきなり親しげに話始めたら怪しいんじゃ…。
嫌だな、季龍さんに隠し事ばかりしてる気がする。それがばれたら信用型崩れになっちゃう。
お父さんのところに帰れなくなってしまう。
それだけは、絶対に嫌だ。
断ろう。リスクが大きすぎる。そんなリスク背負いたくない。
首を横に振ろうとした時、麻夏くんが不意に口を開ける。
「永塚の前でもう1回謝る。それをきっかけにすればいいだろ」
麻夏くんの言葉に耳を疑う。確かにそうすれば隠し事にはならないけど、どうしてそこまで…。
麻夏くんの意図が分からなかったのか、麻琴さんはまた麻夏くんに噛みつくけど、すぐに反論されて黙り込む。