私のご主人様Ⅱ
どうしよう。奏多さん傷つけちゃった…。
そわそわしていると、突如頬に激痛が走る。
「!!?」
「琴音、座れ」
横に視線を向ければ、指に軟膏がついている暁くんがいる。…諦めてない?
じりじりと後ずさるけど、暁くんはその場に座って私を睨む。追いかけられることも捕まえられることもない。
「琴音、座れ」
「…コク」
怖い。静かにぶちギレてるよ、暁くん。
そんな暁くんに逆らう勇気はなく、暁の前に座り、ものすごく乱暴な手付きで手当ては終了。
私が畳に倒れたのは言うまでもない。
でも、そんなことしている時間もなく、慌てて台所に行って夕食の仕度を始めた。