私のご主人様Ⅱ
失態続きの最近の出来事を思い出して、流石にへこむ。
なんでだろう。今までこんなバカな失態やらなかったのに…。
熱くなったままの頬を両手で包み、ため息をこぼした。
「琴音、離れるな」
「!?」
そんな言葉と共に手を引かれ、思いっきり前のめりになる。体制がきつい…。
ズルズルと季龍さんの隣に戻るとまた視界を塞がれる。
鼻をかすめた季龍さんのにおいに収まりかけた熱がまた上がる。
おかしいよ。こんなの、変だ…。
多分真っ赤になっているであろう頬を隠したくてうつむく。
どうしちゃったんだろう。私、なんでこんなにドキドキしてるんだろう…。
分からなくて、おかしくて、季龍さんに気づかれないように大人しくしていることしかできなかった。