私のご主人様Ⅱ

「琴音ちゃん!!」

「!!」

正面から奏多さんと暁くんが走ってきてくれる。

その後ろからも、厳つい顔がさらに怖いことになってる組員さんたちが向かってきてくれる。

でも、背後に迫る音の方が速い。

「琴音っ」

「避けて!!」

暁くんと奏多さんの表情が焦りに染まる。

と、とにかくっ!

その場で立ち止まると同時にしゃがむ。頭の上を通りすぎていった拳を見つつ、目の前にある足を両手で持って思いっきり押す。

と、再びバランスを崩して派手な音を立てて倒れる。

うわ、顔面からいった。痛そう…。

罪悪感を覚えながらも立ち上がり、奏多さんと暁くんの元でちょこちょこ走って無事に腕の中にゴールした。

ふぅ、よかった。感覚にぶってなくて…。
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