私のご主人様Ⅱ

「暁、琴音ちゃん連れて行って」

「分かってます。琴音、広間に行くぞ」

「コクン」

私が奏多さんと暁くんに保護されると、組員さんたちが前へ出て巨人と対峙しようと臨戦態勢に入る。

その間に暁くんに引っ張られて広間に向かおうとすると、険しい表情の季龍さんと、その後ろに続く伸洋さんがやって来た。

「ここちゃん、無事?」

「コク」

「よかった…」

ふざけた様子のない伸洋さんに変な感じがする…。

季龍さんを見ると、険しい表情は崩れることなく、睨むように見つめられる。だんだんと変な緊張感で体が固くなる。

「琴音」

「ビクッ」

「自分を犠牲にしようとするなと前も言っただろうが!なんで盾になろうとする!お前が戦える訳じゃねぇだろうが!!」

「…」

…た、戦えます。なんて自信をもって言えるわけがなくて、言い返す言葉を見つけられない。

素直に頭を下げて謝るけど、季龍さんは怒った様子から変わらなくて、どうすればいいのかわからなかった。
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