私のご主人様Ⅱ

「あんた何者?1回目はまぐれだと思ったけど、2回も避けられるし転けされられるし、俺男でもやられたことなんかなかったのに」

「…」

何者と言われても…。何て言えばいいんだろう。ただの使用人ですは…無理か。

うーんと…。えーと…?

首をかしげて曖昧に笑うと目を細められて、さらに怪しむ視線。

「なんかの武道家?」

首を横に振る。武道なんて習ったこともないです。

「…じゃあ、護身術極めたとかか?」

またまた首を横に振る。護身術どころか身を呈して主を守りなさいって感じですからね。自分の身なんて二の次です。

「じゃあなんだ」

「…」

うーん。強いて言うなら…。

『相手の力を反撃に使う技は叩き込まれてます』

「…へぇ?」

微妙なお返事。まぁ、そうだよね。ぱっとしないのはよくわかります。でも、それ以外に説明のしようがない。
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