私のご主人様Ⅱ

それより、わざわざ実演させなくても…。暁くんかわいそうじゃないか。

頬を膨らませると、暁くんに頬を摘ままれてぷぅと空気が抜ける。

「さーてと、もう遅いし。ここちゃんとお嬢は先に風呂入って休んで?特にここちゃん」

空気を切り替えるように伸洋さんが声を上げる。時計を見上げれば日付が越えそうな時間だった。

明日土曜日だけど、朝ごはん作るのはいつもの時間だし、そろそろ寝ないと起きれない。

それに…。聞かせたくない話もあるんだろう。それが分からないほど身の程知らずじゃない。

立ち上がろうとすると、先に立ち上がった暁くんに引っ張り起こされる。

「寝るまで側にいる。いいな」

「コク」

暁くんの提案に断ることはない。見張りもそうだろうけど、寝るとき手を握ってくれるのが結構嬉しかったりするから大歓迎だ。

私が動こうとする一方で、巨人さんが来てから黙ったままの梨々香ちゃんは立ち上がろうとしない。

そんな梨々香ちゃんに伸洋さんは苦笑して、頭をかく。
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