私のご主人様Ⅱ
「若、いいんじゃない?どうもこのままお嬢に隠したまま済むとは思えないんだよね。…知ることで、警戒心もつくだろうし」
「…」
「でも、お嬢。これは女だからとか、知られたくないとかじゃなくて、マジで機密事項もあるから、それは聞かせらんない。だから、ちょっと席外してくれる?」
「…分かった。でも、青海がどうしてたのかとか、どうやってここに来たのか、昼間なんでお兄ちゃんたちが追われたのかは知りたい。今は最悪それだけでもいいから」
「うん。それなら大丈夫。いいよね、若」
「…あぁ」
伸洋さんの提案に梨々香ちゃんも、季龍さんは渋々だけど納得する。
梨々香ちゃんは素直に立ち上がると私に駆け寄ってきて、ぎゅっと抱きついてきた。
頭を撫でると、甘えるように頬擦りしてきて、緊張してたんだなってすぐに分かった。
「琴音、行くぞ」
「琴音ちゃんおやすみ」
暁くんに促され、梨々香ちゃんの手を引く。
部屋を出る前に声をかけてくれた奏多さんに頷き、みなさんに頭を下げてから大広間を出た。