私のご主人様Ⅱ

「はいはい。奏多と暁は俺の後ろの席に座る。ここちゃんは若の隣ね~」

「!!?」

う、嘘でしょ!?

1番前の席で、隣には大きな紙袋が2つもある席に座ってる伸洋さんは、何かの準備をしながらそんなことを言う。

ついでに季龍さんがいるのは梨々香ちゃんの後ろ、1人で座っていらっしゃる。

後ろに行くほど地位が上がっている気がする。もちろん季龍さんがいるのは1番後ろの5人席の前。

行けるわけがない。首を横に振って奏多さんの腕にしがみつく。

前の方結構空いてるんだからそっちに座らせてください。というより、あんな息が詰まりそうな空間に放り込まないでいただきたい。

「ほーら、ここちゃーん。移動♪」

「“無理です!”」

「琴音ちゃん、行っといで」

「!?」

奏多さんにまで見捨てられた!?は、離すもんか!!

奏多さんの正面から抱きつくと困ったように頭を撫でられた。
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