私のご主人様Ⅱ

そのせいか、季龍さんの傍にいるのは緊張する。

しかも、周りにはお偉いさん方。状況も重なって緊張感2倍はいいところだ。

カチコチに固まっていると、目の前に何かが差し出されて飛び上がる。

「っぴゃ!?」

「ん?」

声出た…。じゃなくて、ビックリした…。

そういえば、声も少しずつだけど出るようになってきた。主に驚いたときとか、焦っているときに。

変な声が出たせいか、バスの中は一瞬静まり返って、次の瞬間爆笑に包まれる。

そんなに笑わなくても…。顔が熱くなっていくのを感じながらも、渡されたものを受けとる。…ビンゴカード?

「はい、若まで回った~?」

「琴音」

声をかけられて隣を見ると、季龍さんは手を差し出していて、ビンゴカードを2枚とも渡すと、1枚を渡し返される。

なんでビンゴ?
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