私のご主人様Ⅱ
青い海と
「おお、相変わらずきれいだなぁ」
「焼けるぞ~」
「ん…」
ざわつき始めた声に目を覚ます。
顔を上げると、季龍さんの顔が近くにあって飛び上がりそうになった。
すっかり寝込んでいたらしい。季龍さんがも目を閉じていて、一緒に寝ていたんだって思うと急に恥ずかしくなった。
「ことねぇ、お兄ちゃん!ついたよ!!」
「…あ?」
前の席から顔を見せた梨々香ちゃんの声に季龍さんが目を覚ます。
その隙に季龍さんから離れ、肩にかけられたままの上着をできるだけきれいに畳んだ。
と、寝る前までは閉じられていたカーテンが開け放たれていて、そこから見えた景色に目を奪われた。
太陽に照らされ、青に染まる海を背景に堂々とそびえる洋館は真っ白で、太陽の光を跳ね返すほど。
周囲を見ると立ち並んでいるのは豪邸ばかりで、目が眩む。
…日本だよね?ここ…。思わず確認してしまいたくなるほど、日常とはかけ離れた場所だ。