私のご主人様Ⅱ
「っ!?こ、琴音ちゃん!?」
「!」
海に足だけ浸かる位置まで来ると、先に遊んでいた人たちに気づかれる。その中には奏多さんもいて、ちょっと安心。
でも、顔が真っ赤で視線が合わない。
「何だよ、奏多。見慣れてんだろ?」
「っ!?んなわけないだろ!触ったこともないわ!!」
「!?」
ニヤニヤする人たちに思いっきり叫ぶ奏多さんにこっちまで顔が赤くなる。
抱きつかれたり抱きついたりはするけど、そこに下心なんかなくて、安心させてくれるもの。
下心があって触られるのとは全然違う。
散々からかわれている奏多さんがだんだんかわいそうになってきて、とりあえず1人で深い方へ進む。
波の音がすぐ近くから聞こえて、少し恐怖心は出てきたけど、沖の方へ少しずつ進む。
それでも、やっぱり恐怖が勝って足がちゃんと届く辺りで浮き輪にしっかり捕まってプカプカ浮かんだ。