私のご主人様Ⅱ
そう言えば季龍さん。昨日は食事係だったそうで、バーベキューにはいたのにそれが終わるなり姿が見えなかった。
今日は警備のはずだけど、役割はローテーションらしいので、もう終わっているかもしれない。
『お散歩しています』
「…この中をか」
『もう終わりました』
「だろうな。…暇なら何か飲み物を用意してくれ。部屋はお前が使ってるとこの右隣だ」
「“分かりました”」
お役目ゲットです。先にお部屋に向かわれた季龍さんを見送ってから急いで給湯室へ向かった。
飲み物…。季龍さんいつも何を飲んでるのかな。頼まれたことがないから何が好みなのかも分からない。
伸洋さんに聞いておけば良かった。
後悔しても始まらない。季龍さんが持っていたのは何かの資料。お仕事でもされるのかもしれない。
とりあえずコーヒーかな。少し濃くコーヒーを淹れて、大量の氷で冷やす。
ガムシロップとミルクを添えてお部屋に向かう。つまみ菓子があればよかったけど、ないものはしょうがない。