私のご主人様Ⅱ
「…琴音、そこで読んでろ」
「!」
悩みすぎたのか、季龍さんに言われてしまう。
お、お言葉に甘えて。本を手に取って、お仕事の邪魔にならないところまで下がって本を開く。
「琴音、座れ」
「…フルフル」
「…手を引かないとお前は座る場所も分からないのか?」
「ブンブンッ」
季龍さんの視線が痛い…。恐る恐るソファーに座ると、季龍さんはようやく仕事を再開させる。
逆にご迷惑でした。
改めて本を開く。かの有名な魔法学校に通う男の子が主人公のファンタジー小説のようです。
映画の場面を思い出しながら何とか読み進めていく。