私のご主人様Ⅱ
腕を掴んでいる伸洋さんの手をぺちぺち叩くけど離してくれない。じーっと見つめると苦笑された。
「えーとね。デートってのは口実で、実は明後日お嬢の誕生日なんだよね」
「!?」
梨々香ちゃんの誕生日!?そんなこと聞いてない!!
どうしよう。梨々香ちゃんの好きなもの…。
「…その反応だと、やっぱお嬢言わなかったか。ここちゃんには言うと思ってたんだけどなぁ。とまぁ、そういうわけで明日俺とその買い出しに行こ?」
「コクン」
「んで、ここちゃんには悪いんだけど、明後日の夜ご飯任せていい?ケーキ作れる?」
「コクコク」
「さっすが。んじゃ、材料も揃えようね」
「コクン」
頷いてばかりだ。伸洋さんはこれで安心と言わんばかりに息を吐いた。