私のご主人様Ⅱ

思わず2人の手を掴んで止める。

手伝ってくれるのは嬉しいけど、やっぱり甘えてちゃダメな気がする…。

「琴音ちゃん?」

「何、離せ」

「“2人とも、手伝ってくれなくて大丈夫です。休憩しててください”」

今日は伸洋さんに頼まれたとはいえ、私もやりたくて決めたこと。そんな私のわがままに2人を巻き込んじゃダメだ。

それに、この旅行は息抜きなら、2人は私の監視役のおやすみでもある。

そんな旅行の間まで私に付き合わせるわけにはいかない。私がやってるからと当たり前のように手伝ってもらっちゃダメなんだ。

じっと2人を見ていると、暁くんが不意に左手を上げる。その手を見ていると、その手の形がデコピンをするような形になる。

ん?

「ッ!!」

あだっ!?思わず手を離して額を押さえる。

なんでデコピンなの…?いつもなら怒る奏多さんも怒らないで苦笑してるだけだ。
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