私のご主人様Ⅱ
「お前だって今日フリーだろうが。お前が作らなきゃいけない理由なんかねぇだろ」
「“でも、私はやりたくてやってるから…”」
「…なら、俺も勝手にやる。お前がやってるからじゃねぇから」
ポンッと1回だけ頭に乗せられた手。暁くんは手を洗い終えると火にかけてあるものの様子を見に行く。
その後ろ姿から少しだけ見える耳が赤いのは、照れているから?
じっと暁くんを見つめていると、頭をポンポンってされて、振り返れば奏多さんが苦笑してる。
「何言ってたかよくわかんないけど、俺も好きでやるから。琴音ちゃんもだよね?」
「…コク」
「なら、一緒にやろう。お嬢、喜んでくれるといいね」
「コクコク」
「琴音、何やるのか早く言え」
ぶっきらぼうな暁くんの声に、奏多さんと顔を見合せ、少しだけ笑う。
いつもと同じように役割分担して、作り上げていけば、いつもより品数が多くてもなんだか楽しくて、少し笑いながら進めていく。