私のご主人様Ⅱ
…なんか、変なの。
奏多さんに抱き付くと、驚きながら受け止めてくれる。
暁くんは何とか熱を納めて知らん顔。
いつも傍にいてくれる。そんな2人が今、傍にいてくれるだけで安心してしまう。
あぁ、なんだ。私、こんなにも2人のこと、大好きなんだ。大好きな2人が傍にいてくれないのが、すごく寂しかったんだ。
納得してしまえば、心は落ち着いてホッと息をつける。
奏多さんから離れ、暁くんに背中から抱き付くと大げさに驚かれてすぐに振りほどかれる。
「っさっさと進めろっ!ケーキも作るんだろ!!」
顔を真っ赤にして怒る暁くんにいつもの迫力なんかなくて、笑うとまた怒られる。
奏多さんはやれやれって顔で私をなだめながらも暁くんを笑っている。
いつもと一緒だけど、少し違う。そんな雰囲気に笑いながら料理を作り続けた。