私のご主人様Ⅱ

「中に入ればすぐ分かる。行けるな」

「コク」

「…言いたいことがあるなら後で聞く。早く行け」

あれ、そんな物言いたげな顔してたのかな。とりあえず頷いて、ありがとうございますと伝えると、頭をポンとされる。

「ぎゃぁぁあああ!!!!!」

季龍さんこれ好きなのかな。手が離れても季龍さんは動く気配がなくて、職員室に入るまで待っててくれてるんだと分かる。

もう使用人の立場ありません。

頭を下げてから職員室に体を向け、そのドアをノックして中に入った。

「あ、葉月さんね」

中に入った瞬間、立ち上がったのはまだ若い女性の先生。とりあえずドアを閉めてから振り返ると先生はすぐに来てくれた。

「永塚くんから聞いてるわ。不自由なことがあったらすぐに言ってね」

『“よろしくお願いします”』

「こちらこそ。葉月さんは1年7組です。一緒に行くのでちょっと待っててくれるかな」

「コクコク」

先生は自身の机に戻ると、出席簿なんかを集めてる。とりあえず壁に寄っていると、他の先生からの視線とかがあって落ち着かなかった。
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