私のご主人様Ⅱ
「ねぇ、ご飯ってもう準備終わっちゃった?」
「はい。終わってますよ」
「あ~やっぱり。お兄ちゃん、だからもっと早く帰ろうって言ったのに」
「今日くらいいい。荷物置いて来い」
「はーい。ことねぇ、待っててね」
「コクコク」
季龍さんが持っていた紙袋たちを持って階段をかけ上がっていく梨々香ちゃんを見送る。
季龍さんは肩を回し、少し疲れたような顔をされていた。
「若、ありがとうございました」
「あ?…お礼を言われることじゃねぇ」
「…そう、ですね」
奏多さんが声をかけると、季龍さんは少しそっぽを向く。やっぱり、察してくれていたんだ。
思わず笑っていると、バッチリと視線が合う。へらっと笑ってみると、頭を小突かれた。