私のご主人様Ⅱ
「お待たせ~!ことねぇ、お風呂一緒に入ろう~」
「梨々香、先に食べてからにしろ」
「わかってるよーっだ!お兄ちゃん今日なんかへーん!」
腕に抱きついてきた梨々香ちゃんに引っ張られながら広間に向かう。
季龍さんは呆れたような顔であとに続き、奏多さんと暁くんもその後ろでついてくる。
しっかりと閉じられたドアを見て、伸洋さんが何かやるつもりなんだなぁと察する。
というわけで梨々香ちゃんに離してもらって、ドアノブを持つ。チラッと奏多さんと目を合わせ、ドアを開けた。
ッパン!ッパパパン!!
「!!?」
「「「「「お嬢、お誕生日おめでとうございま~す!!!」」」」」
1個のクラッカーが弾けたのを合図に次々に弾けたクラッカー。飛び出た紙吹雪やテープが梨々香ちゃんにかかっていく。
驚いて固まった梨々香ちゃんに、野太い声が揃ってお祝いの言葉をかけた。
少し静まった場には火薬の匂いが鼻を突き、むけそうになるのを必死でこらえた。
梨々香ちゃんはと言うと、呆然と立ち尽くしていたけど、その表情が笑顔になっていく。