私のご主人様Ⅱ
「あ、ありがとう…。っ嬉しい!」
「お礼なら俺らにじゃなくて琴音ちゃんに言ってやってくれ」
「そうそ。朝からずっと台所にこもってこれ全部作ってくれたんだぞ~」
「!?」
それは言わなくてもいいことなのにっ!
梨々香ちゃんが驚いて振り返って私を見る。その目が潤んでいくのを見てぎょっとした。
「っことねぇ!ありがとうっ!!」
「!?」
正面から飛び付かれて倒れそうになったところをなんとか堪える。力いっぱいに抱きついてくる梨々香ちゃんの肩が少し震えていて、頭を撫でるとぐりぐりと頬を押し付けられた。
「お嬢、いただきましょうよっ!」
「そうっすよ。せっかくの料理が冷めちゃいます」
「わかってるよぅ」
組員さんたちの声に梨々香ちゃんは目を擦って顔を上げる。