私のご主人様Ⅱ

するとそこへ鳴り響いたチャイム。それを合図に動き出す先生たち。

「よし、葉月さん行きましょう」

先生が戻ってきて、先導してくれる。

なんか懐かしいな。香蘭の時もこんな感じだったっけ。

とか思っていると、教室の前に来て、不覚にもドキドキしてきた。先生に続いて教室に入ると、教室が少しざわついた。

「はーい。静かに。葉月琴音さんです。病気で入学が遅れましたが、今日から登校できることになりました。葉月さんは声を出すことが出来ませんが、耳は聞こえているので、話をするときはゆっくりお願いします」

あ、病気っていう設定なのか。確かにこの白髪を誤魔化すにはある意味いいかも?

何となく関心しながら頭を下げる。パチパチとまばらな拍手。

顔をあげて気づいた。季龍さんがいる。…同い年だったの?うそぉ…。てっきり年上だと思ってたのに…。
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