私のご主人様Ⅱ

「…ッ!?…」

目を覚ましたら、部屋にいた。いつの間に戻ってきていたんだろう。

起き上がると、日の光が目に入って思わず強く目を閉じる。

顔を背け、ゆっくりと目を開ける。

…夢、だったのかな。窓の外に広がる海は荒れていて、どしゃ降りの雨が海と混ざって消えていく。

嵐みたいだ。今日は、外出られそうにないなぁ…。

ぼんやり外を見つめていると、カチャッと音を立てたドアに振り返る。そこには、驚いた様子の暁くんがいた。

「…琴音」

「…」

「…ッ」

驚いた様子から一転、険しい表情と化した暁くんは足音を響かせ近づいてくる。

「ッ!?」

「お前ッ!なに考えてんだ!!俺らが探しに行かなかったら、死んでたんだぞ!!!」

胸ぐらを捕まれ、怒鳴り散らされたことに驚いて固まる。だけど、言われた言葉を頭が理解しても、身に覚えのないことに困惑するだけだった。
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