私のご主人様Ⅱ

死にかけたの?私が…?

…ダメだ。全然覚えてない。

怒りが収まる様子がない暁くんをじっと見つめていると、急に抱き締められる。

って、え?

「どんだけ心配したと思ってんだ」

「…」

「自殺しかけたと思ったら、2日も目覚まさねぇし、マジでふざけんじゃねぇ…」

…暁くんの言葉に反応できない。

2日も寝込んでたの?私は、何をしたの…?

なにも覚えてない。何をしたのか、なんでそうしたのか。

暁くんに抱き締められていると、またドアが開く音がする。そちらに視線を向けると、奏多さんがいた。

少し驚いた様子を見せたけど、すぐに駆け寄ってくる。

「琴音ちゃん、良かった。起きなかったから心配してたんだよ」

「…」

「ッか、奏多さん!?」

「暁、離しちゃダメだって。琴音ちゃん不安定なんだし、ちゃんと抱き締めとけ」

頭を撫でられながら、奏多さんと暁くんの会話を上の空で聞き流してしまう。
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