私のご主人様Ⅱ

…あれ。ここ、どこだったっけ?

部屋の様子を見ると、何だか違和感だらけだ。奏多さんに視線を向けると、頭をくしゃくしゃにされる。

むぅ。

「琴音ちゃん、旅行の間、俺と暁の部屋にいる?」

「…」

「大丈夫。とって食ったりしないから。嫌ならお嬢と同じ部屋に戻るけど、どうする?」

「…ギュッ」

暁くんの服をつかむ。2人と一緒にいたい。その方が、落ち着く…。

奏多さんは察してくれて、また頭を撫でてくれる。

お腹減ったねと言われ、お昼?(多分)を持ってきてくれた奏多さん。誘われるままに受け取ったのはいいけど、空腹は感じなくて、手をつけられなかった。

「…琴音ちゃん、2日前のこと覚えてる?」

「…フルフル」

「は?なにも覚えてないのか!?」

「暁、いいから。琴音ちゃん、じゃあ、どこまで覚えてる?」

「…」

話を切り出した奏多さんの質問に答えるけど、自分でも曖昧でよくわからなかった。
< 265 / 323 >

この作品をシェア

pagetop