私のご主人様Ⅱ
だんだん話が飲み込めてきた。
若は琴音ちゃんがこのままなら、そういう道具として使うつもりだ。
それも、永塚組の道具として。
そんなことになれば、琴音ちゃんは本当に壊れる。若もそれがわかった上でやろうとしている。
…琴音ちゃんを起こさなきゃ。このままじゃ、琴音ちゃんが本当に壊れる!!
来た道を急いで戻る。
でも、問題はどうやって正気に戻すか。正気に戻したとしても琴音ちゃんが話せる状態になってくれるかどうか…。
いや、とにかくやるしかない。
部屋のドアを開けると、暁が驚いて振り返る。琴音ちゃんはぼんやりしたままベッドに座っていた。
「奏多さん?」
「時間がない。暁、止めるなよ」
「は?」
困惑する暁を置いて、琴音ちゃんの両肩を掴む。
「琴音ちゃん、起きろ!いつまで寝てるんだ!!」
「っ!?な、奏多さんやめてくださいっ!!」
前後に揺すり、大声で叫ぶ。暁が止めようとする手を振り払い、何度も揺さぶり、叫び続ける。