私のご主人様Ⅱ

「琴音ちゃん!!」

「奏多さんっそんな無理矢理やって余計に目覚まさなくなったら、どうするんですかっ!!」

暁に強引に阻まれ、琴音の肩を掴んでいた手が離れる。

振り回していた体は勢いをそのままに倒れ、ゴンッと鈍い音を立てる。ベッドに頭をぶつけたらしい琴音ちゃんに暁は驚いて抱き上げた。

「琴音、大丈夫か?」

「…っい」

「琴音ちゃん!?」

顔を歪めた琴音ちゃんの頬に触れる。

初めて見せた反応に思わず暁と顔を見合わせる。

「…い、たい…」

目の焦点が揃い、泣きそうな目が俺と暁の姿を映す。

ま、まさかこんな実力行使で起きてくれるとは…。

自分でやったくせに、実感をうまいこと持てない。思わず苦笑いすると、琴音ちゃんはぶつけたところを手で押さえ、項垂れた。
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