私のご主人様Ⅱ
その後、平沢さんの運転で病院へ直行して、頭の傷を診てもらった。
幸い深くなくて、縫う必要もないくらいだった。
だけど、それ以上に問題だったのが脱水症状で、遠慮する琴音ちゃんに容赦なく点滴の処置がされた。
そりゃ、5日も目を覚ましてなかったんだから無理はない。何とか水は飲ませていたとはいえ、量はたかが知れてたし…。
点滴が終わるまで結構な時間があって、その間琴音ちゃんは俺か暁の手を離そうとしなくて、少しばかり恥ずかしかった。
「あ、…………い、…………がと………う」
「どういたしまして」
「は?礼を言われることじゃねぇし…」
また険しい顔の仮面を被る暁は、照れ隠しにそっぽを向く。
琴音ちゃんは微笑んでいて、もしかしたら暁の仮面に気づいてるんじゃないかって思わせる。
病院から別荘に戻ってくると、先輩たちがエントランスで出迎えてくれた。