私のご主人様Ⅱ
「琴音ちゃん、心配してたんだぞ?」
「目覚ましてよかったぁ…」
「琴音さんっよかった!!」
口々に喜びの声を上げる先輩たちに、琴音ちゃんは目を丸くさせ、やがて頬を緩ませる。
そんな琴音ちゃんに先輩たちは同じように表情を緩ませた。
あぁ、きっと無理だ。琴音ちゃんが道具として差し出されたとしても、先輩たちもきっと手を出さない。
こんなに愛されてる琴音ちゃんを虐げることなんて、きっと俺たちには出来ない。
しばらく話していると、琴音ちゃんは流石に疲れたのか目を閉じようとする。
それをきっかけに解散になって、部屋に戻るけど、その頃には琴音ちゃんは暁の腕の中で眠ってしまっていた。
「暁、寝かせてあげたら?」
「…また、目覚まさなくなりませんよね」
「…分からない。でも、それは明日様子を見よう」
すやすや眠る琴音ちゃんの頭を撫で、暁の背を押して部屋を出る。
夕食を摂るなり部屋に直行する暁に、苦笑いを浮かべながらもその背を追いかけていた。